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 京都には、書画用具を売る二つの老舗がある。洋の画箋堂と和の鳩居堂だ。画箋堂は京都で油絵を学んだことのある人なら必ず一度は足を運んだことがあるはずだ。鳩居堂は書画に興味のない人でも昔から京都に住まいしている人なら誰でもその名を知っている。
 京都人は、和のものなら鳩居堂という連想が自然に浮かぶ。画箋堂は残念なことに現代的な建物に改築されたが、以前は周りのコンクリートビルの中に木造のまま情緒ある店の佇まいを残していた。鳩居堂も改築はされているが、その情緒は和の風情を今も大切にしている。東京銀座の支店も歴史はあるが、最近訪れてみると近代的なビルになっていた。

kyukyodo01.jpg  鳩居堂の歴史は古い。1663年に薬種商として現在の住所に店を開いた。薬種の材料が「香」と共通することから、1700年代に薫香線香の製造をはじめ現在も「香」の専門店として名高い。薫香線香の製造を始めると同時に、薬種原料の輸入元である中国から書画用文具を輸入して販売を始めたが、多くの文人墨客と深く交流するようになり、やがて独自の墨や筆を製造するようになった。特に製筆技術は中国製を凌駕するものと高い評価を得て今日に至っている。300年以上前のことだ。

kyukyodo02.jpg  1913年(大正2年)に創業当時の店は火災で全勝したが、すぐに再建された。再建後も幾度か改築されて現在に建物になる。

 私は、京都人の御多分に洩れず筆は鳩居堂で購うことにしている。何よりも品揃えが豊富で用途毎に選ぶことができる。その他、和の便箋なら鳩居堂製と決めている。これも品揃えが豊富で風流な絵柄や透かしが気に入っているからだ。
 店内の雰囲気も落ち着いていて、ついついゆっくり時間を過ごしてしまう。接客も付かず離れずなので、居心地が良い。

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