祇園祭・鉾建て

  ー 京都・祇園祭 ー

 祇園祭と言えば、宵山と山鉾巡行が有名で、その数日が祇園祭だと思っている人も少なくないと思う。しかし、祇園祭は7月1日から31日まで、毎日、何らかの神事や行事があり、一ヶ月に渡る祭だ。京都の町衆の底力なしには、成り立たない日本の祭の代表中の代表とも言える。以下は、京都市観光協会に紹介されている主な行事であり、この他にも重要な神事や行事がある。

■ 吉符入  7月1日~神事始めの意味で各山鉾町において、町内関係者が本年の祇園祭に関する諸事打合せをする。

■ くじ取式 7月2日 山鉾巡行の順番をくじによってきめる式。

■ 神輿洗 7月10日午後8時頃、神輿3基のうち中御座の神輿をかつぎだし、四条大橋まで運び、鴨川の水で洗い清める。

■ 前祭 鉾建て・前祭 山建て 山建て 7月11日~14日 7月10日~11日各町では巡行の山鉾が収蔵庫から出されて組立てられる。 鉾の組立ては伝統の手法で行い3日間を要する。
(今年は豪雨のため日程が後に下がった。)

■ 山鉾巡行・前祭(さきまつり)巡行 7月17日午前9時 四条烏丸出発。23基の山鉾。四条烏丸 (午前9時00分) →四条河原町(9:35) → 河原町御池 (10:20) → 新町御池(11:20)

■ 後祭 山鉾建て 7月18日~7月21日 後祭の山鉾10基の組み立てが行われる。

■ 後祭(あとまつり)宵山7月21日~7月23日 山鉾の建てられている町内は車両通行止めとなりますが、四条通等の歩行者天国はありません。露店の出店はない予定です。

■ 山鉾巡行・後祭(あとまつり)巡行 7月24日午前9時30分 烏丸御池出発。10基の山鉾。

烏丸御池 (午前9時30分) →河原町御池(10:00) → 四条河原町(10:40) → 四条烏丸(11:20)

■ 花傘巡行 7月24日後祭の山鉾巡行が17日の前祭の山鉾巡行に合同した約50年前に、 山鉾の古い形態を再現するねらいではじめられたもので京都花街のきれいどころの踊、鷺舞、六斎念仏、子供神輿、祇園ばやし、稚児など総勢千人の行列がつづく。
 八坂神社(午前10時00分) →四条寺町 → 寺町御池(10:50) → 河原町御池 → 四条河原町→ 八坂神社(12:00)

■ 神輿洗7月28日10日の神輿洗と同様、四条鴨川で洗いきよめ、午後8時頃神社へかえる。

 <京都市観光協会HP提供>(クリックで拡大) Link:■□ 京都観光協会 □■

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     ー 鉾建て ー

 今年の鉾建ては、あの全国的に被害をもたらし、京都も鴨川が氾濫しそうだったほどの豪雨のため、鉾建ての日程が止むを得ず変わった。
 上の図にある鉾は、道具は使ってもガソリンエンジンや電力は一切使わず、すべて人力で建てられる。「鉾建て」は、京都人にとっては、見るのに十分値する壮観な光景だ。まず、土台を縄だけで組み立て、それを一旦横に寝かせて、鉾の中心を貫く「真木」を建てる。これも大きな縄を屈強な大人が数人かかって、引き上げる。暑い中の作業で、汗だくになりならが縄を引く姿に、見物客からも思わず、「頑張れー」の声が響く。大縄を引く人は、交代しながら真木を引き上げる。20分〜30分ほどかかって、真木を土台に入れ込むと、今度はそれを立たせる。繰り返すが重機など一切使わない。大変な作業だ。
 錦の綺麗な衣装を纏うまでは、見事に巻かれた縄が見える。この図を写真にする人も多い。煌びやかな鉾も本当に綺麗だが、言わば素のままの鉾も見事だ。様式美がある。

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鉾を組み上げる作業は、揃いの法被を着た男達の仕事だ。代々、口伝で伝えらたきた柱の位置、縄の巻き方、そして組み立ての順。一つでも間違えると鉾にはならない。

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 この他はすでに真木が備わっている。一本の真木が鉾を貫いていることがよくわかる。
 この鉾の周りには、立派な一眼レフを持った人たちが、地面に腰を下ろして盛んにシャッターを切っていた。

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 何と言っても、この真木を引き上げる瞬間だと思う。夕方とはいえ、まだまだ蒸し暑い京都。懸命に力を振り絞って真木を引き上げる。
 この瞬間を見ようと人集りができていた。縄を巻く歯車を力一杯回す男達と縄をたぐる男達。途中で、交代しなければ腕力と体力の限界に達する。見ている方も力が入る。見物客の多くから、「頑張れー、頑張れー」と声援が飛ぶ。
 派手ではないが、京都の力を感じる光景だ。













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