インクを楽しむ - 2 -

    ー 御当地インク様々 ー

 前に「インクを楽しむ」という記事を書いた。インクの多種多様なことは、その記事で触れたが、今回は私の地元に近い京都、神戸、名古屋のインクを紹介する。

  明治天皇御製
  思ふこと いふべき時尓(に)  いひてこそ 人のこゝろも つらぬきにけれ

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  神戸ナガサワ文具店:恐らく日本で一番多くの種類のインクを出していると思う。その種類は増殖し続けている。「波止場ブルー」に始まったこの御当地シリーズは今や60種を超えている。私は一つも持っていないが、次のようなものがある。全部は紹介しきれないので、一部だけの紹介にする。詳しく知りたい方は、「ナガサワ・オリジナルインク」を検索していただくと見ることができる。売り出された順は分からないので、知っているものを順不同で紹介する。

  ー インク名 ー
 波止場ブルー・六甲グリーン・旧居留地セピア・有馬アンバー・生田オレンジ・麻耶ラピ
 ス・塩谷ブルー・中山手ブラック・垂水アプリコット・北野坂ナイトブルー
 住吉ブラウン・神戸レンガ・六甲アイランドスカイ・北野オリーブグリーン等々

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   Pen and Message(神戸):開店当時から付き合いのある店主の吉宗さんが使っていたインクの色が気に入って、譲って欲しいというと、近々商品化すると聞いて待っていた。「冬枯れ」(およそ10年前発売)は今でも使っている。人気の高いインクだ。

  ー インク名 ー
  冬枯れ・朔(さく)・山野草・朱漆・Cigarを出された。
  以上、神戸のインクはセーラーインクとのコラボだ。

  TAG(京都):最初に出された「青鈍(あおにび)」の人気が高かった。最近は、京都と分かる名前のインクを出されている。

  ー インク名 ー
  青鈍(あおにび)・京彩(きょういろ)伏見の朱塗・今様色・苔色・山吹色・三条
  祇園四条・清水五条・七条
  ここは自社オリジナルのようだ。

  三光堂(名古屋):万年筆好きなら知っている名古屋の老舗万年筆店だ。この店の「名古屋城セピア」(上の写真)は特に有名だ。

  ー インク名 ー
  熱田の森グリーン・大須レッド・名古屋港ブルー・徳川園牡丹・鶴舞ブルー・桶狭間
  グリーン・東山グリーン・白壁グレー・四間道ブラック・名古屋城セピア
  この店もセーラーインクとのコラボだ。

 以上4店のインクの一部だが、日本は北海道から九州までの各都市に万年筆店があり、上と同じようにその店オリジナルインクを作っている。まさに数限りないインクの色と種類だ。


  明治天皇御製
  言の葉に あまる誠は おのづ可(か)ら 人のおもわ尓(に) あらはれに希(け)り

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  ー 本来の色 ー

 前の記事と同じように、いただいたインクを毛筆で使ってみた。三光堂オリジナル名古屋城セピアは、書いている時と乾いた時と色が明らかに違ってくる。緑から黄色がかったセピア系の色に変化する。このことでも有名だ。



 普段使っているアウロラのブルーブラックでも書いてみた。万年筆に入れると、時間の経過とともに、どうしても色が濃くなるが、本来はこの色なのだと改めて知った。インクを筆で書いてみると、そのインクの本来の色が分かる。

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