近代の短歌には素晴らしいものがある。代表的な歌人の作品を書いてみることにした。
 儚い歌や恋の歌、自然を詠んだ歌など、100年ほど前の情景が色褪せず蘇る。
 

  上から順に

  • 与謝野晶子
  • 与謝野晶子
  • 正岡子規
  • 石川啄木
  • 正岡子規
  • 与謝野鉄幹
  • 佐佐木信綱
  • 斎藤茂吉

     みだれ髪を京の島田にかへし朝 ふしていませの君ゆりおこす
    http://kanezaki.net/blog/akiko03.jpeg  うすものを 昼の間は着るごとし 女めきたる初秋の雨く
    http://kanezaki.net/blog/akiko01.jpeg  籠にもりて 柿おくりきぬ古里の 高尾の楓色づきにけん
    http://kanezaki.net/blog/akiko02.jpeg  さりげなく言ひし言葉はさりげなく 君も聴きつらむそれだけのこと
    http://kanezaki.net/blog/akiko04.jpeg  くれなゐの二尺薔薇の芽の 針やはらかに春雨のふる
    http://kanezaki.net/blog/akiko05.jpeg  わが妻よ君を守りて足らざりき 病む君を見て悔ゆれど遅し
    http://kanezaki.net/blog/akiko06.jpg  ゆく秋の大和の国の薬師寺の 塔の上なる一ひらの雲
    http://kanezaki.net/blog/akiko07.jpeg  あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり
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  •  古の歌人たちが様々な想いを歌に載せ送った。選りすぐりの歌を集めた百人一首だ。
     三十一文字に込められた想いを感じ、理解と共感できれば、この上ない文化だ。
     我が国の文化を改めて文字にすることで、時代を遡ってみたい。

      上から順に

  • 貞信公
  • 大伴家持
  • 元良親王
  • 素性法師
  • 文屋康秀
  • 文屋朝康

     小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば今ひとたびの みゆき待たなむ
    http://kanezaki.net/blog/ISSHU01.jpeg  秋さらば見つつ偲べと 妹が植えしやどのなでしこ 咲きにけるかも
    http://kanezaki.net/blog/ISSHU02.jpeg  わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ
    http://kanezaki.net/blog/ISSHU03.jpeg  今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな
    http://kanezaki.net/blog/ISSHU04.jpeg  吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ
    http://kanezaki.net/blog/ISSHU05.jpeg  白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
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  •  秋の夜長には、古の短歌に浸るのも良い。
     三十一文字に込められた想いを感じ、共感できれば、たちまちに世界が広がる。
     気に入りの万年筆をそっと紙に落とせば、何故か心が和む。

      上から順に

  • 寂蓮法師
  • 藤原定家
  • 西行法師
  • 寂蓮法師
  • 猿丸太夫
  • 在原業平朝臣
  • 大江千里

     むら雨の 露もまたひぬ 真木の葉に霧立ちのぼる 秋の夕暮
    http://kanezaki.net/blog/tanka01.jpeg 見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮
    http://kanezaki.net/blog/tanka02.jpeg 心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ
    http://kanezaki.net/blog/tanka03.jpeg 寂しさは その色としもなかりけり槙立つ山の 秋の夕暮れ
    http://kanezaki.net/blog/tanka04.jpeg 奥山にもみぢふみわけ鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき
    http://kanezaki.net/blog/tanka05.jpeg ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
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    ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
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  •  休日は、出かけるのも良いが、好きな万年筆をゆっくり手入れするのが楽しい。
     インクを変える時は数日前から始めて、休日に色を確かめながら入れ替える。
     そして必ずノートにペンとインクの名前を書き記しておく。

      上から順に

  • 松尾芭蕉
  • 西行法師
  • 清原深養父
  • 崇徳院 『詞花集』 恋
  • 松尾芭蕉
  • 持統天皇

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  •  様々なペンと文字と短歌など

      上から順に

  • 7月の自分
  • 秋の終わり
  • 大江千里(23番) 『古今集』秋上・193
  • 寂蓮法師(87番) 『新古今集』秋・491
  • 浅野匠守辞世の句
  • 大石内蔵助辞世の句
  • 大石主税辞世の句
  • 一筆箋の書き方見本

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  •  平成の元号が間もなく無くなる。30年という年月が新しい時代を迎えようとしている。30年といえば、自分の人生のおよそ半分にあたる。
     明仁天皇と共に歩んだ道ではないが、この元号を幾千度も文書に書いた。今は、その用件も少なくなったが、やはり想いが残る。
     仕事で、一度だけ天皇家ゆかりの若い女性を目の当たりにして、その話を聞いたことがある。警備の人たちの動きの見事さには驚いた。その人は、品格とかを語るには、あまりにもこちらが下世話に思えるほどの格式を身体から自然に出ていた。
     ともあれ、明仁天皇は美智子様と共に、日本中を回られ、我が国への思いを国民に身を以て示されてきた。
     お二人の歌には、その歩みが十分に読み取れる。

     右は、明仁天皇が第67回全国植樹祭で詠まれた歌で、左は美智子様が浩宮様誕生の折に詠まれた歌だ。
     どちらもお二人のお人柄と、その時のお気持ちが十二分に伝わってくる優れた歌だ。

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