ETRURIA "ALTER EGO" STILOGRAFICA

 大分以前から欲しかったスティピュラの万年筆。初めてペリカン・スーベレーンM1000緑縞を買った時、この万年筆とどちらにするか随分迷った。昨年、意を決して購入した。欲しいと思ってから随分年月が経っていたが、書き味は最初に試した店のものと変わらず、柔らかい腰とスムーズな滑り具合が楽しい。
 インクフローもちょうど良い。イタリア万年筆のMの代表的な線の細さなので、インクは黒を入れている。
 大きさは、モンブランの149とほぼ同じだが重さが全然違う。分厚いセルロイドのボディと葉っぱの模様の銀のクリップとリングが万年筆全体を重くしている。しかし、そのバランスと形状が重さを感じさせない。手に馴染むセルロイドの吸着感が持ち味を心地よくしてくれていれる。最近ネットで見たところ、この万年筆もペン先は14金に変更されたらしい。

 さて、その書き味はというと、すらすらというかサラサラというか、
まるで氷の上を滑っているスケーターのように滑らかにペン先が紙の上を滑る。
縦にも横にも同じ滑りをするので日本語を書くのにはちょうど良い。
 特に横書きに向いている。万年筆の書き味を表すのに、
「ぬらぬらと書ける」という褒め言葉があるが、その"ぬらぬら"
ではない。
 万年筆というものは、自分の書き癖というのがついて、使い込むほどに
書きやすくなってくるモンブランタイプの万年筆とペンに書く字を合わせたくなるタイプがあるが、このスティピュラは明らかに後者である。横書きに向いていると思うのも、きっとそう思わせるのだと思う。ただし、英語などの筆記体を書くのには、向いていないかもしれない。
 英語の筆記体を書くなら、少しカリカリと磨りガラスの上で書く感じのほうが良い。縦横のメリハリが出るからだ。
 話が逸れてしまったが、とにかく、この18金の柔らかいペンは、控えめに自己主張しながらも持ち主と上手に付き合ってくれる一本だ。
【サイズ・機構等】
■ 長さ: 約140mm(収納時)/約164mm(筆記時)
■ 最大胴軸径: 約14.8mmφ
■ キャップ径: 約15.3mmφ(クリップを除く)
■ 重さ: 約38g
■ 機構: カートリッジ / コンバーター両用式(コンバーター付属)
■ 仕様: セルロイド / シルバー925

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