Montblanc 221 burgundy GT/K78

    - 2本目はバーガンディに -

 モンブラン221は、このバーガンディより前に黒と金のオーソドックスな1本を既に持っていた。ただ、その万年筆はペン先がEFの細字であるばかりでなく、アルファベットを美しく書くようにペン先を斜めに切ってあるので、日本語を書くには少し不向きであった。
 その後に手にいれた#121は日本語を書くのに適していて、これを専ら使うようになった。今も改まった文書を書くときには黒のインクを入れた#121を使っている。#121については、すでにこの「PENS」の中で随分以前に紹介している。< Open the article : #121 >
 この221シリーズも1970年代の万年筆だ。70年代のモンブラン・クラシック万年筆は名品が多い。それより前の2桁シリーズは収集家には垂涎の逸品が揃っているが、3桁になってからも、キャップを外した時のシャープな見かけとは裏腹に、柔らかな腰を持ったペン先が滑らかに程良く撓って書き心地が良い。

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 上述の黒と金の221EFは、柔らかく滑らかであることに変わりはないが、綴った文字に日本語として妙な癖が出ると40年ほど前の当時は思った。愛用の#121をもう1本とも思ったが、全く同じでは能がない。そこで手に入れたのが、このバーガンディだ。ペン先は14金だが、18金と遜色なく柔らかく撓る。

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    - 落ち着いた色味をカジュアルに -

 バーガンディとワインレッドは違う。英語ではバーガンディ、フランス語ではブルゴーニュ(bourgogne)というが、これはブルゴーニュ産のフランスワインの色に由来している。もう少し赤茶がかったボルドーもその由縁はワインの色だ。赤ワインの微妙な色合いの違いが、それぞれ我が国のJIS慣用色名に記されている。
 「ボルドー」は万年筆好きなら誰でもインクの色を思い浮かべる。落ち着いたワイン色で、女性が日記を書くのに似合う。そんな映画を見た。

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 さて、バーガンディ色のこの万年筆だが、最近は、自分が一番よく使うオリジナルブレンドのブルーブラックを入れてよく使うようになった。線の太さは、お気に入りの#121とほぼ同じなので、当初の目論見のとおり、#121を2本持っているような気がする。このバーガンディは、カジュアルな感じがするので、気の置けない友達に手紙を書いたり、良いことがあった日の日記の記事を記したりとか、気分を明るくしたい時のメモにこの万年筆を使う。

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 ペン先はFだが、この大きさの万年筆ならMと思っても良い。縦横の線が均等の太さに書ける。筆圧の加えようによって、線にアクセントも付けることができる。見本にと思って載せた拙い文字の芭蕉の俳句だが、インクの色が明るく写りすぎてしまっているのはさておき、線の太さとインクの乗りはこの通りだ。
 私がこのモンブラン221バーガンディを使う理由は、何より、使っていて楽しい万年筆だからだ。

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■ ペン先  : 14K / ■ サイズ : F
■ 機構   : コンバーター、カートリッジ両用式、 / キャップ 嵌合式
■ 材質   : ボディ> レジン・プラチナプレート
■ 長さ   : 137mm(収納時)/ 145mm(筆記時)
■ 太さ   : 11mmφ / キャップ 13mmφ
■ 重さ   : 15g