Parker 180 écorce
- Like a Dart -
The most unique feature of this pen is its nib. It's got a very interesting arrow shape nib.
And to me the whole pen when uncapped looks like a dart.
You can write on both sides of this nib. One side is M and the other XF.
The M side of the nib is glass smooth and very wet, this is a testament that this nib is good for everyday use. The XF side is slightly less smooth then the M side but it is still to ne expected since its such a fine point and in any case is still very smooth and a wonderful writer in its own right. This is very useful in case you need to change line wideness.
百人一首 蝉丸 「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関」
加えて、この万年筆は、「ああ、そう言えばあの万年筆はどこだろう」と自問して探してみても見当たらず、失くしてしまったのだろうと思っていると、部屋や机を整理していると、ひょんな所から出て来る。確り管理できる今になってつくづく思うこの万年筆の不思議なところだ。持ち物を粗末に扱うことはないのだが、この万年筆に限っては不思議でならない。
3つ目の不思議は、このパーカー180に赤インクを入れていて、ネットで同じ所有者も書かれているように、インクがカートリッジから漏れ出して、さらに、軸の嵌合部分から漏れ出すので、気をつけないと手や衣服を汚してしまうことだ。ペン先から漏れ出したインクがキャップに溜まり、うっかりキャップを軸に刺そうとして指を汚してしまうこともあった。もちろん、純正のカートリッジを使っていても軸からインクが滲み出て来る。これが原因で、この万年筆を使わなくなり、「どこに行ってしまったのだろう」と時折探すことになる。しかし、不良品だから修理に出そうとも思わない。これも今考えると不思議なことだ。
この万年筆の最大の特徴は、名前のとおり、180度ひっくり返してペン先を裏に向けても書けるということだ。ペン先の形も平らで、明らかにそのように製作されている。他の万年筆もペン先を裏返してもインクはある程度出るので書けなくはない。しかし、裏がして使うようには設計されていない。実際に裏返して使うことはないが、そのように設計されているのだからと、試しに書いてみると日本製の万年筆の中細字くらいの線の太さでスムーズに文字が書ける。

この万年筆は売り出された当時は女性に人気があったらしい。キャップを軸に嵌めれば、使用しない時の長さがより短くなる。普通の使い方では、Mの太さで、裏返せばeXtraFine(エクストラファイン)極細字になり(下の写真:ペン芯にX|Xの刻印が見られる)、しかも収納時の131㎜から127㎜と全体の長さはほとんど変わらない。通常の万年筆では、収納時と筆記時では明らかに長さが変わるので、初めてキャップを軸に嵌めると一瞬驚く。同軸の太さも最大径が直径9㎜、指を添える先端では約6㎜と細い。これも女性に人気があった理由と考えられる。女性は、ポケットにペンを刺すことは、売り出された当時はまずなかっただろうから、先ほどの私感で述べたインク漏れもさして気にならなかったのかもしれない。

さて、ひょっこりと現れたパーカー180だが、確り管理できるようになると、妙に魅力的な万年筆であり、折に触れ使いたくなり、ペン立てに立てているのを取り出して使うこが多くなった。大袈裟な言い方をすれば、この両面使用可能な万年筆はある意味で、昭和の時代の「文明の利器」のような趣がある。なお、私が丸善で購ったであろうこのパーカー180には軸の素材や柄に様々のバリエーションがシルバーの恐らくはステンレス製のものや、何種かの色柄のラッカー仕上げのものなどがある。今ではメルカリなどで数千円で手に入れることができる。手間はかかるが、ビンテージ万年筆の収集家ならコレクションの一本にされても良いと思う。 尚、ペン先は14金という説とスチールに金鍍金という説がある。私は、このしなり具合は14金だと思うが、今は調べようがない。自分が使う限り、14金だと思っていて何の問題もない。
And to me the whole pen when uncapped looks like a dart.
You can write on both sides of this nib. One side is M and the other XF.
The M side of the nib is glass smooth and very wet, this is a testament that this nib is good for everyday use. The XF side is slightly less smooth then the M side but it is still to ne expected since its such a fine point and in any case is still very smooth and a wonderful writer in its own right. This is very useful in case you need to change line wideness.
- 雑感" -
この万年筆ほど、私にとって不思議なものはない。1980年代初めに売り出されたようだが、私がこの万年筆を手に入れたのもその頃だったと思う。1970年代、私が高校生だった頃から万年筆を好んで使うようになって、他の万年筆は、それぞれ買った年月をおよそ覚えているが、この万年筆を買ったのは京都丸善であることしか思い当たらず、それがいつだったのか知る由もない。ただ、売りされた頃だろうと思うだけだ。これが冒頭に述べた不思議の一つだ。百人一首 蝉丸 「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関」

加えて、この万年筆は、「ああ、そう言えばあの万年筆はどこだろう」と自問して探してみても見当たらず、失くしてしまったのだろうと思っていると、部屋や机を整理していると、ひょんな所から出て来る。確り管理できる今になってつくづく思うこの万年筆の不思議なところだ。持ち物を粗末に扱うことはないのだが、この万年筆に限っては不思議でならない。
3つ目の不思議は、このパーカー180に赤インクを入れていて、ネットで同じ所有者も書かれているように、インクがカートリッジから漏れ出して、さらに、軸の嵌合部分から漏れ出すので、気をつけないと手や衣服を汚してしまうことだ。ペン先から漏れ出したインクがキャップに溜まり、うっかりキャップを軸に刺そうとして指を汚してしまうこともあった。もちろん、純正のカートリッジを使っていても軸からインクが滲み出て来る。これが原因で、この万年筆を使わなくなり、「どこに行ってしまったのだろう」と時折探すことになる。しかし、不良品だから修理に出そうとも思わない。これも今考えると不思議なことだ。
- Parker 180" -
この万年筆の最大の特徴は、名前のとおり、180度ひっくり返してペン先を裏に向けても書けるということだ。ペン先の形も平らで、明らかにそのように製作されている。他の万年筆もペン先を裏返してもインクはある程度出るので書けなくはない。しかし、裏がして使うようには設計されていない。実際に裏返して使うことはないが、そのように設計されているのだからと、試しに書いてみると日本製の万年筆の中細字くらいの線の太さでスムーズに文字が書ける。

この万年筆は売り出された当時は女性に人気があったらしい。キャップを軸に嵌めれば、使用しない時の長さがより短くなる。普通の使い方では、Mの太さで、裏返せばeXtraFine(エクストラファイン)極細字になり(下の写真:ペン芯にX|Xの刻印が見られる)、しかも収納時の131㎜から127㎜と全体の長さはほとんど変わらない。通常の万年筆では、収納時と筆記時では明らかに長さが変わるので、初めてキャップを軸に嵌めると一瞬驚く。同軸の太さも最大径が直径9㎜、指を添える先端では約6㎜と細い。これも女性に人気があった理由と考えられる。女性は、ポケットにペンを刺すことは、売り出された当時はまずなかっただろうから、先ほどの私感で述べたインク漏れもさして気にならなかったのかもしれない。

さて、ひょっこりと現れたパーカー180だが、確り管理できるようになると、妙に魅力的な万年筆であり、折に触れ使いたくなり、ペン立てに立てているのを取り出して使うこが多くなった。大袈裟な言い方をすれば、この両面使用可能な万年筆はある意味で、昭和の時代の「文明の利器」のような趣がある。なお、私が丸善で購ったであろうこのパーカー180には軸の素材や柄に様々のバリエーションがシルバーの恐らくはステンレス製のものや、何種かの色柄のラッカー仕上げのものなどがある。今ではメルカリなどで数千円で手に入れることができる。手間はかかるが、ビンテージ万年筆の収集家ならコレクションの一本にされても良いと思う。 尚、ペン先は14金という説とスチールに金鍍金という説がある。私は、このしなり具合は14金だと思うが、今は調べようがない。自分が使う限り、14金だと思っていて何の問題もない。
- Both Sides of Nib are Available -
■ ペン先 : 14金 或いは スチール / 文字幅 : M & XF
■ 機構 : カートリッジ/コンバーター両用式 / キャップタイプ
■ 仕様 : ボディー & キャップ = スチール ゴールドプレート仕上げ
■ 長さ : 約131mm(収納時) / 約127mm(筆記時) 軸径最大:約9mmφ
■ キャップ径 : 最大:約9mmφ (クリップを除く)
■ 重さ : 約20g
■ 機構 : カートリッジ/コンバーター両用式 / キャップタイプ
■ 仕様 : ボディー & キャップ = スチール ゴールドプレート仕上げ
■ 長さ : 約131mm(収納時) / 約127mm(筆記時) 軸径最大:約9mmφ
■ キャップ径 : 最大:約9mmφ (クリップを除く)
■ 重さ : 約20g
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