Kaweco & Faber-Castell
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Kaweco Mechanical Pencil & Faber-Castell Eraser

    - 気遣いのある刪改 -

 職場で回議書を見ると、起案者の文書に手を入れることがある。誰が訂正したのか分かるように付箋に名前を書いておく人もいれば、訂正箇所の色を変えたりする人もいる。訂正をさらに訂正したり、訂正前に戻したりすることもある。

 私は、訂正には起案者がプレッシャーを感じないようにするためにシャープペンシルを使うことにしている。赤色のボールペンで訂正されると起案者はどう思うだろうかと想像する。分かりやすくて良いと思う人と、いかにも自分の起案文書が間違っていてミスしたことを過度に反省してしまう人がいるのではないだろうか。
 後者の場合、次に文書を作成する時には何の面白みもない無難な文書を作ってしまう。文書には個性があって当然だ。受け取る人の立場になってみると、紋切型の文書は読み飛ばしたくなる。仕事上の文書だと割り切るから余計に意図が伝わりにくい。仕事上の文書であっても、書き手の個性がふとした句読点の使い方や結びの文などに目を引かれることがある。そんな文書は内容も記憶に残る。
 私自身が文書を作る時は受け取る人に忘れられないような文書にすることを心がけている。ともあれ、文書を添削するということは、実に気を遣うものだ。また、気を遣わなければならないものだ。

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    - カヴェコのシャープペンシル -

 回ってくる文書は、10.5か12ポイントの小さなワープロ文字で行間も狭い。
 訂正する文字も自然に小さくなる。0.5ミリ芯のシャープペンシルが役立つ。まだこのページでは記事にしていないもう一つのシャープペンシルと、このカヴェコのシャープペンシルが仕事用の2本だ。カヴェコと言えば、万年筆とボールペンがセットになって、専用ペンケースと3点セットで販売されている定番モデルが世界的に有名で愛用者も多い。
 数年前、万年筆店をいつものように徘徊(?)しているとカヴェコのコーナーに見たことの無いシャープペンシルが陳列されていた。どうやら新作らしい。早速、ショーケースから出してもらって試し書きをしてみた。重さや握り具合がとても良い。ボディはつや消しの黒でペン先は鉛筆のように木製感を出している。さすがはドイツ職人の作りだと感心した。真面目に鉛筆を再現したシャープペンシルだ。その場で自宅用に包装してもらった。
 自宅に帰って、別のメーカーの替芯を入れてみた。すると、店で書いた書き味と違う。替芯も純正なのかと思って、万年筆店に電話をしたところ、メーカーに問い合わせていただくことになった。数日後、万年筆店から返答の電話があり、見本に入っていた替芯は日本のぺんてる社の替芯だとわかった。近くの文房具屋さんでぺんてるの0.5ミリ芯を買って来て入れてみると書き心地が良い。
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    - ファーヴァーカステルの消しゴム -

 ファーヴァーカステルの消しゴムと言えば、ラウンドシェープイレーザーが有名でフラッグシップになっている。廉価版の普通のプラスティックイレーザーも汎用として販売されているが、これは日本製の方が性能が良い。ラウンドシェープの方は、消しゴムが1万5千円近くする。誰が、使うのだろうかと思ってしまう。もっとも鉛筆を一本10万円で売っているメーカーだから消しゴムもそのくらいが相場なのだろう。ラウンドシェープのほうはさておき、今回私が紹介している繰り出しケース付きイレーザーは気にせず手に入る価格のものだ。しかし、これが優秀で手放せない。文房具で一番失くしやすいのが消しゴムだ。落としても音がしない。だれかのを使っても返すのを忘れるし、忘れられる。名前でも書いておこうかと思う。(笑)
 この繰り出しケース付きは、その点安心だ。後部に空いている穴もペン立てに使える。職場で使っている2本のシャープペンシルは見事にこの穴に収まってペン立ての役割を果たしてくれる。偶然とはいえ、細やかな発見と使い道に少し顔が綻ぶ。

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    麗容なる筆記具

 インクを試す時、重宝するのがガラスペンだ。一番よく使うのは、エルバンのガラスペンだ。他に2本所有している。一本は、贈り物として貰った「北一硝子」の有名な職人さんの作であるもの。そのガラスペン職人さんの名前は残念ながら教えて貰えなかった。もう一本は、先日、私自身が小樽の北一硝子を訪れた時、土産にと買ったものだ。  その時、小樽の店員さんと色々話をしているうちに、ガラスペンは有名な作者のものや色が多く使われているほど価値があり、値段も数千円から数万円までの幅があることを知った。

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 ガラスペンを使うのは、インクを試す時だけではない。誕生日カードを書くのにボルドーのインクを使いたいと思った時、万年筆にインクを入れずにガラスペンで認める。例えば、そんな時のように、あまり使わないインクで書きたい時にはガラスペンを使う。
 ガラスペンで書いた文字には味わいがある。インクの濃淡や線の太さの変化など万年筆では出せない趣や情感が紙の上に沁み込んでいく。私が所有している3本のガラスペンでもそれぞれ書き味や線に違いがある。一本一本手作りなので当然のことだ。

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 ガラスペンの効用は他にもたくさんあるだろう。京都の某万年筆専門店では、世界中のほぼ全てのインクが取り揃えられていて、試し書きができるという触れ込みだったので、開店して間もなく訪ねてみた。
 触れ込み通り、どのインクも試すことはできるのだが、書くために用意されたのがスチールの付けペンだった。私はそれでがっかりした。金属付けペンだとインクがすぐに無くなる。
 その点、ガラスペンは最低でも葉書一枚から、優秀なものではA4の用紙一杯に一度インクを浸しただけで書くことができる。水に浸けて洗えば簡単かつ完璧にインクの付いていない元の状態に戻る。

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GRAF Von FABER-CASTELL PERNUMBUCO Mechanical Pencil

    - 侮れないツール シャープペンシル -

 例えば、会議などで資料を配られて、その資料に書き込みをしたくなる時がある。
 会議中なので落ち着いて書き込める暇はない。そんな時、後でゆっくり清書をして自分の資料として残しておこうとすると、シャープペンシルが役に立つ。細かな文字で書き込んでそのまま鉛筆書きで残しておく時もある。



 文具コンサルタントの土橋正氏がドイツ・ラミー社の現会長ドクターラミー氏にインタビューをされた際、
 「これまで手がけてこられたペンの中でご自身が一番好きなペンはどれですか?」と尋ねると、ドクターラミーは3つ上げさせて欲しいと前置きをして、筆頭にあげたのが、ラミー2000ペンシルだったとのことだ。
 (土橋正ブログ:「文具で楽しいひととき」より)



 インタビューの話は興味深く続くのだが、私がこの記事を読んだ時、まず思い浮かんだことは、シャープペンシルも万年筆のように使えるのだということだった。
 学生の頃は、指にペン胼胝ならぬシャーペン胼胝ができるほど、カリカリと力を入れてノートに筆記していた。万年筆も使っていたが、万年筆のように力を抜かず、握りしめて紙に黒鉛を削り込ませるかのように高い筆圧で書いていた。シャープペンシルを握るとどうにもその癖が抜けず、例によって例の如く芯を押し付けるように書いてしまう。

 その癖が抜けたのは、土橋正氏の上の記事を読んでからだ。ドクターラミーもきっとそのように同じラミー2000を35年間も使われていたのだろうと思いを馳せながら、万年筆のペン先を紙に滑らせるように書いてみた。すると、予想に反して墨色の濃淡や太さも全く同じように書ける。以来、今ではシャープペンシルを消しゴムで消せる便利な万年筆と思って使っている。



    - ファーバーカステル ペルナンブコ 0.7㎜芯 -

 ドイツに赴いた時、友人への土産にと思ってシャープペンシルを探したことがある。私が探したのはフランクフルトのデパートや文具店だけだが、シャープペンシルが見当たらなかった。万年筆やボールペンはショーケースに陳列されていたが、シャープペンシルはどの店にも無かった。我が国では、様々な機能を備えたシャープペンシルが売り出されていたので、かの国でもそうだろうと思っていたのだが、当ては大いに外れた。



 帰国後、妙な話だが、日本からファーバーカステル社のシャープペンシルを注文して手に入れた。バイオリンの素材に使われるこのペルナンブコのボディは、いかにも鉛筆メーカーが作ったものらしく、よく手に馴染む。シャープペンシルとしては高価だが、一生ものだと思えば、愛着も湧いてくる。
 この記事の最初に記したように、他の万年筆とセットでペンケースに入れて使っている。

Fude-pen

    - 和の趣 -

 机の上に置いていて、ほっとするものがある。人によってそれぞれそんな物が一つや二つは必ずあると私は思う。気が多い私にはそれが一つや二つではない。いくつもある。
 そんなものの一つが、筆と硯だ。とくに硯には、何か人を和ませる穏やかな精神性というか品格というか、とにかく、無機質な物ではない何かを感じる。デスク周りには洋物が多い私にとって、「和」を想わせてくれるところがほっとする要因かもしれない。
 硯は何面か持っている。父に貰ったものと自分で購ったものだが、どれも形や装飾に魅力がある。硯ごとに硯箱を用意するのも楽しい。我が国には道具を大切にする文化が昔は根付いていた。器に文化があった。

    - 京都 岡重の筆ペン -

 硯のことは、また機会があれば下手な講釈を垂れるとして、ここからが本題。筆ペンの話だ。大きなファイルの背表紙や掲示物に文字を書くときには、筆ペンを使う。職場や出先では、墨と硯を用意して書くわけにはいかないことが多い。そんな時、太い線も細い線も自在に書ける筆ペンが役に立つ。この筆ペンに出逢うまでは、万年筆の形をしたクリップ付き筆ペンを携帯用にしていたが、どうも違和感があった。その形や重さがどうも、和の筆にそぐわない。



 何年か前に京都伊勢丹で催し物があって、その時発見したのが、この岡重の筆ペンだ。試し書き用の和紙も置いてあって、試してみると、なんとも軽くて書き味が良い。即決で朱色の一本を購入した。岡重さんは、この筆ペンを入れる更紗の筆入れを主眼に作ったらしいが、そこは京都の職人のこと、中身の筆にも古き良き京都の伝統文化を大切にしようと特別に筆も作ったらしい。



 ペンのボディは軽くて丈夫な合成樹脂(ポリプロピレン)に漆を塗ったもの。穂先は、ぺんてる社が特別に作った合成樹脂で、これが、一本数百円で販売されているものとは違い、極めて細くて柔らかい。イタチやタヌキなどの獣毛で作った穂先と全く遜色がない。
 筆管の握り心地といい、穂先の感触といい、私はすっかりこの筆ペンが気に入って、一週間後にもう一本、黒軸のものを買い求めた。



 朱色の方は自宅使いに、呂色の方は職場に置いて必要な時に取り出して使う。墨と硯を用意する時間と必要がない時には、実に便利であり、書く時に筆の趣を十分に楽しめる。

  リンク:京・老舗「岡重」
  リンク:小宮真由さんのブログ「大人の文具」

Inkwell

    - 神戸北野で出逢ったインク壷 -

 1985年6月21日に、私はこのインク壷と出逢った。
 神戸北野の異人館巡りをした帰りのこと、骨董屋さんというわけではないが、色々な雑貨を置いている店に立ち寄った。
 たくさんある異人館の元住人が帰国の際、故郷には持ち帰らない品々を処分同然というか、かなり安価な値で付近の行商に譲ったらしい。棚や机などの家具は、家に付属している、言わば家の一部と考えるのが欧米の人たちである。それらの家具類は今や観光客の目の保養の的になっている。
 異人館といっても、元々は国の大使をはじめ、高い地位にあった人たちの住居である。今も残っている館とその付属家具以外にも、当然、小さな生活雑貨が多数あった。

 私は幾度か北野に足を運び、いくつかあった先の雑貨屋さんを覘いては使えそうな万年筆を物色していた。10本近い万年筆を購うことができたと思う。そんな時、とある店でこのインク壷と出逢った。それほど値の張らない品だったので、気軽に手に入れたのだが、日に日に魅力を感じるようになり、以来、私の机の上にはいつもこのインク壷がある。
 たまに、インクを入れてはスチールの付けペンやガラスペンでゆったりと手紙や葉書を書いている。何分長い付き合いなので、そこにいてくれるだけでほっとする存在だ。

 ちなみに、私がこのインク壷を購った日付が正確に分かるのは、当時は、こうした品物には手に入れた日が分かるように、日付を書いた紙を裏に張っていたからだ。その紙のインクの色は褪せているが、はっきり日付が分かる。

 最近も北野に出かけることはあるが、風情はすっかり変わってしまった。

 ■ 仕組:二つのインク壷はそれぞれ4つの素朴な金具で挟まれている。
            簡単に抜いて水洗いすることができる。
            ガラス以外の部分の素材が何かは分からないが、ずっしりと重い。

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