LAMY Dialog 3

    - 葉巻のような万年筆 -

 この万年筆の発売が「趣味の文具箱」で紹介された時、実物を見る前に買うだろうなぁという予感がしていた。ラミー社が新しいモデルを作る時は外部デザイナーとコラボする。ダイアログ1はリチャード・サッパー氏で氏は「thinkPad」も手がけている。ダイアログ2はナッド・ポッシャー氏でラミーのピュアにも関わっておられる。今回のダイアログ3は、フランコ・クリヴィオ氏の設計による。葉巻のような形をしている。同じシリンダータイプの万年筆でもアウロラ・アステルとは真逆の印象だ。

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    - アナゴのように -

 2009年に予約発売されたこの万年筆は、その機構で話題になった。繰り出し式でペン先が出てくる万年筆はパイロット社にもあるが、細かな点で違う。ボディの中央を回すとペン先側のヘルメットのようなドーム蓋が回転に合わせて収まり、ペン先がにょっきと出てくる。その様子を見ているとまるで海の砂泥から顔を出すアナゴのようだ。

    - よく撓るペン先 -

 葉巻だとか、アナゴだとか散々な紹介をしたが、その書き味は14金のよく撓るペン先と確りとしたメカニズムで、さすがラミー社と思わせる。この万年筆は重い。重いと感じる。実際の重さは43グラムで同じ大きさの万年筆の2倍以上だ。形によって重さを感じさせない万年筆もあるが、葉巻型なので重さがそのまま手に伝わる。この重さのために意識して筆圧を加えなくても自然にペン先に圧力がかかり、自然にペン先が撓る。ペン先の形は、ラミー社の顔であるサファリと同じだが、固さはまるで違う。
 メカニズムの工夫は、クリップにもある。収納時はクリップはその機能を果たすが、ペン先を出すとクリップがボディに密着する。このことによるクリップの浮き具合の差はわずか1ミリほどだが、筆記時に絶妙な役割になる。
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    - スタイリッシュな箱に入れて -

 それが狙いなのかどうか定かではないが、この万年筆には木製(ヨーロピアンビーチ材)のペンケースが付いている。私の考えはこうだ。この万年筆は、胸に差して持ち歩くのではなく、専用のケースに入れて机の上に置いておくように作られたのではないだろうか。ケースもよくできている。開けやすく収納しやすい。

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■ ペン先  : 14K / ■ サイズ  : M
■ 機構   : コンバーター、カートリッジ両用式、 / 繰出し式
■ 材質   : ボディ> パラジウム
■ 長さ   : 約139mm(収納時)/ 約155mm(筆記時)
■ 太さ   : 13.5mmφ
■ 重さ   : 45g
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