Namiki Falcon

    - ナミキというブランド -

 「ナミキ」は、万年筆好きなら誰でも手に入れたいと一度は思う。漆で装飾された蒔絵万年筆は海外でも評判が高い。
 そして、このファルコン。実は、1970年代に日本万年筆専門店会がパイロット社に依頼して、共同制作した「エラボー」という万年筆が海外ではナミキ・ファルコンという名で販売されている。現在、残念なことにナミキ・ファルコンを日本の万年筆店で見ることはできない。並行輸入品として購入するしかないのだが、そこは、日本のパイロット社製のこと、実際に試し書きをしなくてもペン先の調子に不安はない。私は2本目のファルコン・SM をこうして購入した。

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 私は、幸運にもまだ日本でナミキ・ファルコンを試し書きできる時に1本目(SF)を購った。手にした時、「普段使いの実用には最高だなぁ」と思って早速に持ち帰った。

    - フォルムに魅力が -

 まず、そのサイズだ。小型と中型の中間の大きさで、出先でメモを取るのにも自宅で手紙を
書くのにも、ちょうど良い大きさであり書いていて疲れない。
 次に、そのペン先の柔らかさだ。柔らかいが、同じパイロット社のファルコンに比べて少し腰があるので、書いていて気を遣わない。ゴシゴシと書ける。少し出過ぎかなと思うくらいインクフローが良いので、筆圧をほとんど加えなくても豊かにインクが紙に吸い込まれていく。
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 独特なペン先の形状。ファルコンの最も特徴的なところは、ペン先の中程からなだらかに盛り上がって段になっていることだ。どうもこの段が柔軟さに加えて弾力を生んでいるようだ。他にはないこのペン先も遊び心で見れば楽しい。

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 クリップの形が良い。刀の反りを思わせる独特な曲線が見ていて飽きない。多くの万年筆とは逆で、ボディ側に反っている。これは、胸ポケットに差し込んだ時、クリップとボディとの接触幅が広いので、万年筆がより強く固定される構造だ。加えて、ポケットから抜き差しする時に、ポケットの生地を傷めない効果もある。

 何よりも書き心地だ。日本語を書くためには最適なペン先をしている。イリジウムは丸く研がれているので、どの方向に線を引いても心地よく付いて来てくれる。私は、漢字のトメやハネ、ハライを強調して書く癖がないので関係はないが、それを強調して書ける達筆な人にも、きっとこの万年筆は満足できるものだと思う。
 ともあれ、私にとってこの万年筆は日常に手放せない一本だ。

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    - よく知るために -

 同じパイロット社が、日本で販売している「パイロット・ファルカン」と「ナミキ・ファルコン」とは、ペン先の柔らかさで共通しているが、見かけは全く違う。最近、見つけたYouTubeの動画では、ナミキ・ファルコンを特殊加工して。パイロット・ファルコンの柔軟さを持つ万年筆で見事なカリグラフィーを紹介している。一見の価値はあるので、URLを付記する。

  http://www.youtube.com/watch?v=pRebkWHsHC0

 ちなみに、普通のナミキ・ファルコンは、このYouTubeのようなカリカリ音はしない。
 もし、書き味を試したいなら、万年筆店で「エラボー」を出していただくと、それがナミキ・ファルコンの書き味だ。

■ ペン先  : 14金
■ サイズ  : SF (Soft Fine)・ SM (Soft Medium)
■ 機構   : カートリッジ・コンバーター両用式 / キャップ ネジ式
■ 長さ   : 約136mm (収納寺)/  約152mm(筆記時)
■ 太さ   : 約11.5mmφ  / キャップ径:約15mmφ
■ 重さ   : 約18g
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