Pelikan Souverän M800 Brownstripes

    - 誘惑に負けて -

 ペリカンM800はこれで5本目になる。ペリカンスーベレーン・シリーズのキャップ天冠が以前の黒地にペリカンの図柄が付いていた頃は、これからも何本か贖うだろうと思っていた。しかし、いつからか今の金属製になってから触手が向かなくなった。少し、品格を失ったような気がしたからだ。時代の流れに、変化はある程度必然のものと思ってはいるが、事情はどうあれ、私にとってこのマイナーチェンジは、マイナーチェンジではなかった。

 少しばかりペリカン熱からさめていたのだが、茶縞が復刻された時に迷いが生まれた。よほどのことが無ければ、いくら茶縞でも手にすることはあるまいと一方では思いながら、どこか心の隅に澱のように沈んでいた。半年ほど前に、そのよほどのことが起こった。

 東京に所用があって行った折、ふといつも尋ねる万年筆店に立ち寄った。そこには、茶縞が7、8本残っていて、どれも縞の模様が違っていた。手作り感が一気に襲って来て、気がつけば「この中からどれを選ぼう」という心境になっていた。

    - 茶色のキャップと整った茶縞 -

 ペン先はEFと決めていたが、その店はペン先をいとも簡単に交換してくれるので、ボディに悩むだけのことになる。ペン先の良い物を選んだ後、ボディを選ぶ。ペン先は簡単にこれと思うものを見つけたが、ボディは悩んだ。縞がくっきり浮かび上がっているものと、縞と判別できないほどぼんやりと模様が入り混じったものなど、一本一本違っていた。結果は、最も無難な縞がくっきり浮かび上がっているものに決めた。 brownstripes10.JPG
 <ブログにこの正岡子規の句を書いている様子を載せました。→ ブログへリンク

 このEFは、ペン先の調整をしていない。最初から良い書き味だ。もっとも、それを選んだのだが。万年筆は軸の太さに比例して、同じMやEFでも太さが違う。M800クラスの太軸だとEFでもそこそこの太さがある。ペン先は太さが増すほどに、選ぶのが難しい。ニブの先のイリジウムを磨く作業は人の手になるもので、一本一本個体差が生まれる。調整をしていないこの万年筆は、最初から私好みの滑り具合だった。思う線が書ける。

 私の金属製天冠嫌いはいつまで続くか湧かないが、ボディとペン先の製作過程が変わらない限り、ペリカン熱は温度を低く保ちながらも引くことはないと恐れている。

 この茶縞。使っていて気づいたのだが、キャップが茶色なのだ。単独で使っていると分からないが、やや暗めの書斎で使うと他の黒のキャップとは明らかに違って茶色であることがわかる。上の写真の9枚目がそれだ。

■ ペン先 : ロジウム装飾18金 /  文字幅 : EF
■ 機構  : 吸入式
■ 長さ  : 142mm(収納時) /  約166mm(筆記時)  軸径最大:約13mmφ
■ キャップ径 : 最大:約15mmφ (クリップを除く)
■ 重さ  : 約28g
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