Pilot Elabo

    - ナミキファルコンとエラボー -

 パイロットエラボーが誕生したのは1978年のことだ。詳しい歴史はパイロットのページを見ればわかる。
 私はエラボーより先にナミキファルコンを使っていた。黒のボディに金のトリムが万年筆らしさを感じるからだ。もちろん、これがパイロット社製であることは知っていた。

Elabo10.JPG  ナミキという名前も良い。しばらくは、ナミキファルコンのペン先 SFとSM
が大活躍していた。今もそうだ。昔は小さな字を書くのが苦手で、ノートも手帳も大判のものを使っていた。ペン先は中字がほとんどだった。
 最近は、訳あって小さな字を書くことが多くなり、小さな字を書くのが楽しくなってきた。ペリカンM1000やモンブラン149で大きな字を書くのもダイナミックで楽しいが、一目で記録の全部が目に入る細かな文字の集合も見ていて楽しい。
 そこで、ナミキのSFをよく使うようになった。小さな文字を書くと、インクの色によって文字の鮮明さが変わることが分かる。自分で調合した明るいブルーブラックのインクは、やや鮮明さに欠けることが分かった。
 毎日書く日記も平日は書くことが多いので、自分で譲れない自分調合のブルーブラックを使っているが、のんびりできる週休日や休日には、茶系や赤系、緑系のインクを使って日記を書いている。茶系や赤系のインクは鮮明な文字になる。

Elabo11.JPG  それゆえに、同じペン先の細さでは文字を見ていてうるさくなる。もっと細い、しかも、弾力や重さが毎日使っているものと変わらないものが欲しいと思った。それが、エラボーだ。パイロットエラボーには、SFより細いSEFというペン先がある。私はそれを買い求めた。

  ペン先にSEの刻印がある。







    - パイロットの精神 -

 同じ職場で働いているアメリカ人女性が私のところに来て、彼女の万年筆のインクの出が悪くなったので、直して欲しいと頼んだ。私の万年筆好きは彼女も前から知っていた。その万年筆を見て驚いた。聞けば、長年も使っているそうだ。それだけ思い入れがあることを話してくれた。何かの記念に貰ったものらしい。それは、私も持っているパイロットのノック式万年筆、デシモだった。同じものを持っていると話すと、彼女は違うという。一見、色も形も同じだと思ったが、彼女が説明してくれた。彼女の万年筆には「NAMIKI」と刻印されていて、クリップがペン先と継ぎ目なく繋がっている。よく見れば、その2点が違っていた。しかし、大きな違いだと今も思う。私が感心したのは、パイロット社の変わらない精神だ。良いものは、いつまでも作り続ける。そして、より良いものを開発し続ける。天晴れこの上ない。

Elabo13.JPG 黒のボディと金のペン先とトリムも良い。しかし、このエラボーのモノトーンの色合いも良い。持ってみて分かったが、持つまでは分からなかった落ち着きがある。それでいて、黒と金に勝るとも劣らない存在感がある。不思議だがそうだ。

 天冠はまるで凸面鏡のように磨かれている。



    - オールドバーガンディー -

 私は京都高島屋で2本あったうちの一本を、書き比べた末に買った。同じSEFでも微妙に違った。万年筆作りの仕上げは一本一本人間がするのだから仕方がない。いや、だからこそ、万年筆は面白いのかもしれない。
Elabo12.JPG

 私が贖った方は、前に持っていたナミキファルコンと同じ腰の弾力がある。もう片方はややその弾力に欠けた。本当に微妙な違いだが、はっきり分かった。
 この万年筆には、赤系のオールドバーガンディーを入れている。このオールドバーガンディーは、ペン・アンド・メッセージのオリジナルインクで、過日、神戸に行った時、店に立ち寄って偶然見つけたものだ。落ち着いた赤で乾くと美しい。付属の小さなコンバーターを使っている。赤系のインクは頻繁にインクを入れ替える方がいつまでも綺麗だからだ。さて、今日は日曜日、この万年筆で日記に何を書こうか。

 追記:パイロット万年筆の中でソフト極細SEFのペン先があるのは、エラボーだけだ。

■ ペン先 : ロジウム装飾14金 /  文字幅 : SEF
■ 軸鞘  : AS樹脂
■ 機構  : コンバーター両用式 コンバーター(付属):CON-50 / キャップ:ネジ嵌合式
■ 長さ  : 137mm(収納時) /  約151mm(筆記時)
■ 軸径  : 約13mmφ  /  キャップ径 : 約14mmφ (クリップを除く)
■ 重さ  : 約18g
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